大正・昭和レトロな富山「廣貴堂」の家庭用配置箱(桐の薬箱) 節約

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桐の家庭用薬箱の出品です。薬箱の蓋(スライド式)の貼り紙には、商標と社名「富山市 株式會社 廣貴堂」などが書かれています。越中富山の薬売りが「置き薬」の方法で全国を行商していたのは300年ほど前の江戸時代からですが、「廣貴堂」は明治9年(1876年)に設立、明治27年(1894年)薬業教育と配置員(置き薬販売員)育成を目的とした薬学校を設立、大正3年(1914年)に株式会社としてスタート、現在も成長を続けているということです。「置き薬」は医薬品の販売形態の一つで、富山の「置き薬」が典型、「置き薬」は販売員(配置員)が家庭や企業を訪問し、医薬品の入った薬箱(配置箱、預箱)を配置し、次回訪問時に使用した分の代金を精算し薬を補充する仕組み、配置員が配置した薬が「置き薬」と呼ばれる、などがネット情報からわかりました。箱の側面には「株式會社廣貴堂 松井屋 派出員 何某」の印刷がありますが、この人物は配置員だったのでしょう。蓋の裏には常備薬と数量が墨で書かれていますが、薬は家庭ごとに異なり初回訪問時に配置員が書き入れたと考えられます。商品の薬箱の流通時期は、會社スタートが大正3年、貼り紙の文字が右から左への横書きであることなどから、大正から昭和初期だと考えられます。薬箱の大きさは、長手約18.5cm、短手約13cm、高さ約5.5cmです。経年による変色、汚れ、貼り紙の一部破れなどがありますが、薬箱にキズや割れなどはほとんど確認されず、ガタツキはなくしっかりとしています。なお、桐箱でもあり木釘が使用されています。大正・昭和のレトロコレクションに、あるいは実際の薬箱に、あるいは小物入れに、いかがでしょうか。

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